<?xml version="1.0" encoding="utf-8" standalone="yes"?><rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"><channel><title>怪我予防 on ヤマカルテ</title><link>https://yamakarte.com/tags/%E6%80%AA%E6%88%91%E4%BA%88%E9%98%B2/</link><description>Recent content in 怪我予防 on ヤマカルテ</description><image><title>ヤマカルテ</title><url>https://yamakarte.com/images/og-default-v2.png</url><link>https://yamakarte.com/images/og-default-v2.png</link></image><generator>Hugo</generator><language>ja</language><lastBuildDate>Sun, 14 Jun 2026 00:00:00 +0900</lastBuildDate><atom:link href="https://yamakarte.com/tags/%E6%80%AA%E6%88%91%E4%BA%88%E9%98%B2/index.xml" rel="self" type="application/rss+xml"/><item><title>育児ブランクからの登山復帰 完全ロードマップ【PTパパの実践記録】</title><link>https://yamakarte.com/posts/hiking-comeback-roadmap/</link><pubDate>Thu, 11 Jun 2026 00:00:00 +0900</pubDate><guid>https://yamakarte.com/posts/hiking-comeback-roadmap/</guid><description>育児で山を離れた人が、安全にまた登るための全工程を1枚の地図に。理学療法士（PT）パパが、現状把握→体づくり→山選び→実践→ケアまでの復帰ロードマップを実体験と各詳細記事へのリンクで案内します。</description><content:encoded><![CDATA[<p><img alt="育児ブランクからの登山復帰の全工程をまとめた完全ロードマップ 理学療法士パパが現状把握から体づくり・山選び・ケアまで案内 ヤマカルテ" loading="lazy" src="/images/hiking-comeback-roadmap/01_eyecatch.jpg"></p>
<p>「子育てが少し落ち着いて、そろそろまた山に行きたい。でも、体力も自信もすっかり落ちてしまって、何から手をつければいいのか分からない」——そんなふうに、最初の一歩で止まっていませんか。</p>
<p>この記事は、そんなあなたのための**復帰の「全体地図」**です。**育児に限らず、仕事・ケガ・体調・加齢など、ブランクの理由は問いません。**山から離れていた人が安全にまた登るまでの工程を、<strong>現状把握 → 体づくり → 山選び → 実践 → ケア</strong>という5つのフェーズに整理しました。上から順にたどれば、焦らず・ケガなく、無理のない順番で山に戻れます（私自身の体験は育児ブランクですが、考え方はどんなブランクにも応用できます）。</p>
<p>私は理学療法士（PT＝リハビリの専門家）として10年以上、体の回復と向き合ってきました。登山歴は146座。そして私自身が、妻の妊娠・第一子の育児で<strong>1年以上山を離れ、そこから少しずつ復帰した当事者</strong>でもあります。この地図は、机上の理論だけでなく、私が実際に歩いた道のりでもあります。</p>
<p>読み終えるころには、「次の休みに、まず何をすればいいか」が具体的に見えているはずです。各フェーズには詳しい記事へのリンクを置いているので、気になるところから深掘りしてください。</p>
<aside class="yk-box yk-box--tip" role="note" aria-label="この記事の使い方">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-tip"/></svg>
この記事の使い方</div>
  <div class="yk-box__body">
    このページは登山復帰に関する記事の「目次」のような役割です。まずは全体像をつかみ、気になったフェーズの詳細記事へ進んでください。どのフェーズから読んでも大丈夫です。
  </div>
</aside>

<h2 id="復帰ロードマップ全体像">復帰ロードマップ全体像</h2>
<p>まずは全体の流れです。あなたが今どのフェーズにいるかを意識しながら読み進めてください。</p>
<ul>
<li><strong>Phase 0｜現在地を知る</strong>：ブランクで体力がどれくらい落ちたかを直視する</li>
<li><strong>Phase 1｜体をつくり直す</strong>：山に行く前に、土台の体力と習慣を取り戻す</li>
<li><strong>Phase 2｜最初の一座を選ぶ</strong>：復帰の成否を分ける「山選び」をする</li>
<li><strong>Phase 3｜実際に登る</strong>：無理のない一座で、山の感覚を取り戻す</li>
<li><strong>Phase 4｜守りながら続ける</strong>：ケガや不調で挫折しないよう、体をケアする</li>
</ul>
<p>それぞれ詳しく見ていきましょう。</p>
<h2 id="phase-0まず現在地を知る">Phase 0｜まず「現在地」を知る</h2>
<p>復帰の第一歩は、「<strong>自分の体力がどれだけ落ちたかを正しく認める</strong>」ことです。ここを飛ばして昔の感覚で登ると、ケガや強い疲労につながります。</p>
<p>ブランク中、持久力や筋力は思っているより早く、確実に低下します。落ち込む必要はありませんが、<strong>「今の自分は別人」と仮定して計画を立てる</strong>のが安全です。まずは現在地の把握から始めましょう。</p>
<p>詳しくは<a href="/posts/hiking-blank-fitness-decline/">登山ブランク1年以上…体力はどこまで落ちる？</a>で、体力低下の目安と、無理のない復帰の考え方をまとめています。</p>
<h2 id="phase-1体をつくり直す焦らず土台から">Phase 1｜体をつくり直す（焦らず、土台から）</h2>
<p>現在地が分かったら、いきなり山に行くのではなく、<strong>山に行ける体を先につくり直します</strong>。ここを丁寧にやるほど、後のフェーズが安全で楽になります。</p>
<p>軸になるのは、下半身の筋力・傾斜や荷重に慣れる持久力・実際の山歩きという3つの組み合わせです。これを段階的に積み上げていきます。</p>
<p>まず手をつけるのは、次の「幹」の1本だけでOKです。</p>
<ul>
<li><strong>【まずこれ】復帰トレの幹</strong>：<a href="/posts/hiking-comeback-training-program/">登山復帰のトレーニングプログラム3本柱</a> — 復帰の体づくりは、この1本から始めれば十分です。下半身の筋力・持久力・山歩きを段階的に積む方法に加え、歩く習慣を楽しく続ける工夫もこの記事で紹介しています。</li>
</ul>
<p>幹に慣れて余裕が出てきたら、次の2本を任意で足していきます。</p>
<ul>
<li><strong>ケガ予防の基本（推奨）</strong>：<a href="/posts/hiking-stretching-guide/">登山前後のストレッチ</a> — 運動を始める前後の体のいたわり方。</li>
<li><strong>補助トレ（任意）</strong>：<a href="/posts/bouldering-for-hiking-training/">登山トレーニングとしてのボルダリング</a> — 体幹やバランスを楽しく鍛えたい人の選択肢。</li>
</ul>
<aside class="yk-box yk-box--pt" role="note" aria-label="PT補足｜「負荷は急に上げない」が最重要">
  <div class="yk-box__label">
    <svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-pt"/></svg>
PT補足｜「負荷は急に上げない」が最重要
  </div>
  <div class="yk-box__body">
    体に加える負荷は、徐々にしか上げてはいけません。先週より急に距離や強度を増やすと、組織が追いつかずケガにつながります。「物足りないくらい」から始めて、少しずつ階段を上がる——この進め方が、結局いちばん早く山に戻れる近道です。
  </div>
</aside>

<h2 id="phase-2最初の一座を選ぶ">Phase 2｜「最初の一座」を選ぶ</h2>
<p>体の土台ができてきたら、いよいよ復帰一座目の計画です。ここで強調したいのは、<strong>復帰の成否は「どの山を選ぶか」でほぼ決まる</strong>ということです。</p>
<p>ブランク明けに難しい山を選ぶと、疲労で判断力と体が削られ、事故のリスクが上がります。逆に、標高差が小さく・下りがきつくなく・いざというとき引き返せる山を選べば、「また来たい」と思える一日になります。</p>
<p>山選びの具体的な5つの条件は、<a href="/posts/hiking-comeback-first-mountain/">育児ブランク明け、登山復帰の「最初の一座」の選び方</a>で詳しく解説しています。復帰前に必ず目を通してほしい一本です。</p>
<h2 id="phase-3実際に登るptパパの実践記録">Phase 3｜実際に登る（PTパパの実践記録）</h2>
<p>計画ができたら、あとは行くだけ。とはいえ最初は誰でも不安です。ここでは、<strong>私自身が同じ不安を抱えながら復帰した実際の記録</strong>を2つ紹介します。理屈だけでなく「リアルな一日」を知ると、イメージがぐっと具体的になります。</p>
<ul>
<li><strong>復帰一座目の日誌</strong>：<a href="/posts/hiking-return-gozaisho/">1年ぶりの山｜御在所岳ヴィアフェラータを選んだ理由</a> — 慣れた山を選んだ理由と、復帰当日に考えていたこと。</li>
<li><strong>子連れで戻った日</strong>：<a href="/posts/kinkasan-kids-carrier/">子どもを背負って金華山へ</a> — チャイルドキャリア（背負子）で地元の低山に登った、子連れ復帰のリアルな所要時間と工夫。</li>
</ul>
<p>どちらも「無理をしない運用」（延期・早出・撤退の判断）を実際にどう実践したかが伝わるはずです。</p>
<p>なお、久しぶりの山行前は、<strong>しまい込んでいた装備の点検・新調</strong>も忘れずに。靴底の剥がれ・レインの防水・ヘッドランプの電池などは、何を揃え直すべきかも含めて<a href="/posts/fuji-gear-checklist/">富士山の持ち物・装備リスト</a>が（富士山以外の山にも）応用できます。</p>
<h2 id="phase-4体を守りながら続ける">Phase 4｜体を守りながら「続ける」</h2>
<p>復帰は「一座登って終わり」ではありません。<strong>続けるほど体は強くなりますが、同時にケガや不調のリスクも顔を出します</strong>。ここで挫折しないために、よくあるトラブルへの備えをまとめておきます。</p>
<p>気になる症状があるとき、または予防として、必要なものを選んで読んでください。</p>
<ul>
<li><strong>膝</strong>：<a href="/posts/hiking-knee-pain-prevention/">膝が痛くなる前に知っておきたい3つのこと</a>／<a href="/posts/hiking-downhill-knee-protection/">下りで膝を守る歩き方</a></li>
<li><strong>足首</strong>：<a href="/posts/hiking-ankle-sprain/">足首をひねった時の対処</a>／<a href="/posts/hiking-ankle-taping/">足首テーピングの巻き方</a></li>
<li><strong>足のつり</strong>：<a href="/posts/hiking-leg-cramps/">登山で足がつる（こむら返り）原因と対処</a></li>
<li><strong>疲労・筋肉痛</strong>：<a href="/posts/hiking-muscle-soreness-recovery/">登山翌日の筋肉痛を最短で楽にする方法</a></li>
<li><strong>夏の暑さ</strong>：<a href="/posts/hiking-heat-illness/">夏山の熱中症対策</a></li>
</ul>
<aside class="yk-box yk-box--warning" role="note" aria-label="痛みは「警告」。無理に続けない">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-warning"/></svg>
痛みは「警告」。無理に続けない</div>
  <div class="yk-box__body">
    筋肉の張りや疲労感は問題ありませんが、関節の鋭い痛みや、翌日も引きずる痛みは体からの警告です。「少しくらい」と無理を重ねるより、一度休んで整えるほうが、結果的に長く山を楽しめます。
  </div>
</aside>

<h2 id="特別パート子連れで山に戻る人へ">特別パート｜子連れで山に戻る人へ</h2>
<p>ブランクの理由が子育てなら、「いつか子どもと一緒に登りたい」という人も多いはずです。<strong>Phase 3で紹介した<a href="/posts/kinkasan-kids-carrier/">子どもを背負って金華山へ</a>（子連れ復帰の実践記録）を入口に、次の2本で「年齢の目安」と「持ち物・安全」を押さえれば、子連れ復帰の準備は一通りそろいます。</strong> 子連れ登山には、大人だけのときとは違う準備と判断が必要だからです。</p>
<ul>
<li><strong>何歳から？</strong>：<a href="/posts/kids-mountain-age-guide/">子どもと登山、何歳から行ける？</a> — 年齢別・標高別の目安。</li>
<li><strong>持ち物・安全</strong>：<a href="/posts/kids-hiking-gear-safety/">子連れ登山の持ち物・安全管理</a> — 子ども特有の体に合わせた装備（背負子の選び方含む）と安全のポイント。</li>
</ul>
<p>つまり子連れで戻る人の流れは、<strong>金華山の実践記録（Phase 3）→ 年齢の目安 → 持ち物・安全</strong>。自分の復帰と、子どもとの登山。両方を見据えながら、無理のないペースで進めていきましょう。</p>
<h2 id="まとめ完璧でなくていい一歩ずつ地図をたどろう">まとめ：完璧でなくていい。一歩ずつ地図をたどろう</h2>
<p>最後に、復帰ロードマップ全体を振り返ります。</p>
<ul>
<li><strong>Phase 0</strong>：まず体力低下を直視し、<a href="/posts/hiking-blank-fitness-decline/">現在地を知る</a></li>
<li><strong>Phase 1</strong>：山に行く前に、<a href="/posts/hiking-comeback-training-program/">トレーニング3本柱</a>で体の土台をつくり直す</li>
<li><strong>Phase 2</strong>：<a href="/posts/hiking-comeback-first-mountain/">最初の一座</a>を、控えめに・安全に選ぶ</li>
<li><strong>Phase 3</strong>：実践記録（<a href="/posts/hiking-return-gozaisho/">御在所岳</a>・<a href="/posts/kinkasan-kids-carrier/">金華山</a>）を参考に、無理のない一座へ</li>
<li><strong>Phase 4</strong>：膝・足首・つり・筋肉痛・暑さに備え、ケアしながら続ける</li>
</ul>
<p>復帰に、完璧なスタートは要りません。大切なのは、昔の自分と比べないこと、そして一歩ずつ順番に進むことです。この地図のどこからでもいいので、あなたの「次の一歩」を踏み出してみてください。止まっていた登山ライフは、そこからまたゆっくり動き出します。あなたの復帰の一日が、不安より楽しさの大きい一日になりますように。</p>
]]></content:encoded></item><item><title>育児ブランク明け、登山復帰の「最初の一座」の選び方【PT解説】</title><link>https://yamakarte.com/posts/hiking-comeback-first-mountain/</link><pubDate>Mon, 08 Jun 2026 00:00:00 +0900</pubDate><guid>https://yamakarte.com/posts/hiking-comeback-first-mountain/</guid><description>育児などで1年以上ブランクのある登山復帰。最初の一座をどう選べば安全？理学療法士（PT）が、体力低下（detraining）の研究をもとに標高・コースタイム・下り・撤退のしやすさなど、復帰一座の選び方を解説します。</description><content:encoded><![CDATA[<p><img alt="育児ブランク明けの登山復帰で最初の一座を選ぶ登山者と理学療法士による山選びのポイント ヤマカルテ" loading="lazy" src="/images/hiking-comeback-first-mountain/01_eyecatch.jpg"></p>
<p>「子育てが少し落ち着いて、そろそろまた山に行きたい」
「でも、ブランクが長くて、どの山から再開すればいいのか分からない……」</p>
<p>育児や仕事で1年以上山から離れ、いざ復帰しようとしたとき、いちばん迷うのが「最初の一座」をどこにするかではないでしょうか。ここで張り切って昔登ったお気に入りの山を選んでしまうと、思わぬ事故やケガにつながりかねません。</p>
<p>結論からお伝えすると、<strong>復帰の最初の一座は「物足りないくらい控えめな山」を選ぶのが正解</strong>です。理由はシンプルで、ブランク中に体力は自分が思う以上に落ちており、しかも山の事故はそうした体力低下と疲労が重なる場面で起きやすいからです。</p>
<p>私は理学療法士（PT）として10年以上リハビリの現場に立ち、自分自身も育児ブランクから登山に復帰した経験があります。この記事では、研究データと臨床の視点から「最初の一座」を安全に選ぶための具体的な基準をお伝えします。読み終えるころには、迷いなく一座目を決められ、「楽しかった」で終わる復帰登山の計画が立てられるはずです。</p>
<aside class="yk-box yk-box--warning" role="note" aria-label="はじめに｜この記事の使い方">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-warning"/></svg>
はじめに｜この記事の使い方</div>
  <div class="yk-box__body">
    ここで紹介するのは一般的な目安です。持病がある方、産後で体調が戻りきっていない方は、復帰前にかかりつけ医に相談してください。体調に不安がある日は「行かない勇気」が最良の安全対策です。
  </div>
</aside>

<p>復帰の全体像の中で、この記事がどこに位置するのかも先に押さえておきましょう。</p>
<blockquote>
<p>この記事は<a href="/posts/hiking-comeback-roadmap/">育児ブランクからの登山復帰 完全ロードマップ</a>の <strong>Phase 2｜最初の一座を選ぶ</strong> にあたります。復帰の全体像から確認したい方は、先にロードマップへどうぞ。</p>
</blockquote>
<h2 id="なぜ最初の一座選びで復帰の成否が決まるのか">なぜ「最初の一座選び」で復帰の成否が決まるのか</h2>
<p>最初の一座でつまずく人の多くは、「昔の自分」を基準に山を選んでしまいます。まず押さえてほしいのは、<strong>ブランク中の体力低下は、思っているより速く・大きい</strong>という事実です。</p>
<h3 id="体力は数週間ではっきり落ちる">体力は数週間で、はっきり落ちる</h3>
<p>持久力の指標である最大酸素摂取量（VO2max＝体がどれだけ酸素を使えるか）は、トレーニングをやめると<strong>2〜4週間で測定できるほど低下しはじめます</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-1">[1]</a></sup>。持久系アスリートでも、わずか2週間の中断でVO2maxや心臓の1回拍出量が有意に下がったという報告があり<sup class="yk-ref"><a href="#ref-2">[2]</a></sup>、21の研究をまとめた解析では、<strong>低下の大部分は中断のかなり早い段階で起きる</strong>ことが示されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-3">[3]</a></sup>。1年単位のブランクなら、体力が大きく目減りしているのは当然と考えたほうが安全です。</p>
<p>どのくらい落ちるかの詳しい目安は、別記事の<a href="/posts/hiking-blank-fitness-decline/">登山ブランク1年以上…体力はどこまで落ちる？</a>にまとめています。</p>
<h3 id="でも戻せるだからこそ焦らない">でも、戻せる。だからこそ焦らない</h3>
<p>落ち込む必要はありません。<strong>失った持久力は、段階的なトレーニングで数週間〜数ヶ月かけてきちんと戻せる</strong>ことも分かっています。中高年アスリートでも、再開によって低下した能力の多くは回復可能とされ<sup class="yk-ref"><a href="#ref-4">[4]</a></sup>、50代の競技者でも12週間の計画的な再トレーニングでVO2maxがほぼ元通りになったという報告があります<sup class="yk-ref"><a href="#ref-5">[5]</a></sup>。</p>
<p>問題は「戻るかどうか」ではなく「戻る前に無理をしないかどうか」です。スポーツ医学の研究では、<strong>休止明けに負荷を急に上げると、ケガや不調のリスクが高まる</strong>こと、逆に<strong>段階的・計画的に増やせばリスクを抑えられる</strong>ことが繰り返し示されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-6">[6]</a></sup>。最初の一座は、まさにこの「急に上げない」を実践する最初のステップなのです。</p>
<aside class="yk-box yk-box--pt" role="note" aria-label="PT補足｜回復には順番がある">
  <div class="yk-box__label">
    <svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-pt"/></svg>
PT補足｜回復には順番がある
  </div>
  <div class="yk-box__body">
    体力は一様には戻りません。心肺機能は比較的早く回復する一方、筋力やバランス、関節の感覚は遅れて戻ります。だから「息は上がらなくなったのに、下りで脚がガクガクする」ということが起こります。最初の一座は、いちばん戻りの遅い部分に合わせて選ぶのが安全です。
  </div>
</aside>

<h2 id="ptが考える最初の一座5つの条件">PTが考える「最初の一座」5つの条件</h2>
<p>では、具体的にどんな山を選べばいいのか。私が復帰者にすすめる5つの条件です。</p>
<h3 id="条件標高差コースタイムに大きな余裕がある">条件①｜標高差・コースタイムに「大きな余裕」がある</h3>
<p>最初の一座は、<strong>ブランク前の感覚で「半分以下」と感じるくらい</strong>がちょうどよい目安です。累積標高差は小さく、コースタイムは短く。日本の中高年登山者を対象にした全国調査では、定期的な運動・登山の頻度・適正なBMI・経験の豊富さが、登山中の疲労やトラブルを防ぐ主要因でした<sup class="yk-ref"><a href="#ref-7">[7]</a></sup>。裏を返せば、ブランクでこれらが揃っていない復帰直後は、<strong>疲労が出やすい状態</strong>だということです。</p>
<h3 id="条件下りで無理をしない山を選ぶ">条件②｜「下り」で無理をしない山を選ぶ</h3>
<p>意外に思われるかもしれませんが、山の事故がもっとも多いのは登りではなく<strong>下り</strong>です。オーストリア・アルプスの9年間の調査では、転倒事故の<strong>75.3%が下りで発生</strong>し、死亡例は軽傷例より平均で約5歳高齢でした<sup class="yk-ref"><a href="#ref-8">[8]</a></sup>。</p>
<p>理由のひとつは、疲労で身体の感覚が鈍ることです。健康な人でも、<strong>30分の下り歩行のあとは膝の関節位置覚（関節の角度を感じる感覚）が有意に悪化した</strong>という研究があります<sup class="yk-ref"><a href="#ref-9">[9]</a></sup>。下りが長い・急な山は、復帰の一座目には向きません。</p>
<p>下りの安全な歩き方は<a href="/posts/hiking-downhill-knee-protection/">登山の「下り」で膝を守る歩き方</a>で詳しく解説しています。</p>
<h3 id="条件エスケープ撤退がしやすい">条件③｜エスケープ・撤退がしやすい</h3>
<p>「ダメそうなら引き返す」を実行できる山かどうかは、復帰登山で最重要の条件です。疲労は、判断力と身体の両方を確実に削ります。高齢男性を対象にした大規模な前向き研究では、<strong>疲労が強い人ほど転倒リスクが約25%高い</strong>と報告されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-10">[10]</a></sup>。</p>
<p>途中に分岐やエスケープルートがある、ピストン（往復）で引き返しやすい、ロープウェイで標高を稼げる——そんな「いつでも降りられる」山を選びましょう。</p>
<h3 id="条件鎖場岩場のないよく整備された道">条件④｜鎖場・岩場のない、よく整備された道</h3>
<p>復帰直後はバランスと体幹も鈍っています。鎖場や急な岩場は、わずかな疲労やふらつきが大きな事故に直結します。<strong>まずは登山道がしっかり整備された、危険箇所の少ないルート</strong>を選んでください。憧れや懐かしの難ルートは、数座こなして体を慣らしてからで十分間に合います。</p>
<h3 id="条件単独より時間と人の余裕を持つ">条件⑤｜単独より「時間と人の余裕」を持つ</h3>
<p>最初の一座は、できれば信頼できる仲間と、しかも<strong>時間にたっぷり余裕を持って</strong>。コースタイムどおりに歩けることを前提にせず、1.3〜1.5倍かかる想定で計画を立てます。早出・早着を徹底し、午後の早い時間に下山を終えるスケジュールが理想です。</p>
<aside class="yk-box yk-box--tip" role="note" aria-label="迷ったらこの基準">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-tip"/></svg>
迷ったらこの基準</div>
  <div class="yk-box__body">
    標高1,000m前後・累積標高差600m以下・コースタイム往復4時間以内・急な下りが長く続かない・鎖場なし・エスケープあり・時間にたっぷり余裕——この範囲で、お住まいの地域で「定番の入門峰」を選べば、まず大きく外しません。
  </div>
</aside>

<h2 id="膝足首に不安がある人の追加チェック">膝・足首に不安がある人の追加チェック</h2>
<p>過去に膝や足首を痛めたことがある人は、もうひとつ慎重に。</p>
<p><strong>膝</strong>に不安がある人は、復帰前に予防の知識を入れておきましょう。痛くなる前の対策は<a href="/posts/hiking-knee-pain-prevention/">登山で膝が痛くなる前に知っておきたい3つのこと</a>にまとめています。</p>
<p><strong>足首</strong>の捻挫グセがある人は、特に下りで注意が必要です。慢性的に足首が不安定な人は、<strong>下り歩行で腓骨筋（足首を守る筋肉）の働きが低下している</strong>ことが分かっており<sup class="yk-ref"><a href="#ref-11">[11]</a></sup>、さらに<strong>疲労が加わるとバランスと関節の感覚が落ちて、捻挫を繰り返しやすくなる</strong>と報告されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-12">[12]</a></sup>。片脚立ちがふらつく人は将来の捻挫リスクが高い（リスク約2.5倍）というデータもあるため<sup class="yk-ref"><a href="#ref-13">[13]</a></sup>、復帰前のバランス練習が効果的です。詳しくは<a href="/posts/hiking-ankle-sprain/">登山で足首をひねった時の対処・予防</a>を参考にしてください。</p>
<h3 id="久々の登山なら装備の点検も">久々の登山なら、装備の点検も</h3>
<p>体だけでなく、<strong>しまい込んでいた装備も劣化している</strong>ことがあります。久々の山行前に、登山靴のソール剥がれ・レインウェアの防水・ヘッドランプの電池あたりは必ず確認を。何を揃え直すべきかは<a href="/posts/fuji-gear-checklist/">富士山の持ち物・装備リスト</a>が、富士山以外の山にもそのまま応用できます。</p>
<h2 id="やりがちなng-3つ">やりがちなNG 3つ</h2>
<p>最後に、復帰者が陥りやすい失敗を挙げておきます。</p>
<ol>
<li><strong>いきなり憧れの山に行く</strong>——体力が戻る前に難所へ挑むのは、事故への最短ルートです。憧れの山は「3座目以降のご褒美」に取っておきましょう。</li>
<li>「昔できたから大丈夫」と<strong>過信してしまう</strong>——ブランク明けは、本人の自信と実際の体力がもっともズレやすい時期です。中高年を対象にした研究では、高齢になるほど事故が重症化しやすいと報告されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-14">[14]</a></sup>。これは年齢の高い層のデータですが、「自信と実力のズレが事故を招く」という構図は、ブランク明けの世代にもそのまま当てはまります。</li>
<li><strong>コースタイムどおりに歩ける前提で計画する</strong>——復帰直後は標準タイムより遅くて当たり前。余裕のない計画は、焦り→疲労→転倒の悪循環を生みます。</li>
</ol>
<aside class="yk-box yk-box--pt" role="note" aria-label="PT補足｜「負荷は急に上げない」が原則">
  <div class="yk-box__label">
    <svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-pt"/></svg>
PT補足｜「負荷は急に上げない」が原則
  </div>
  <div class="yk-box__body">
    体に加える負荷は、徐々にしか上げてはいけません。先週より急に距離や標高を増やすと、組織が追いつかずケガにつながります。一座目を軽くして、二座目・三座目と少しずつ難度を上げていく——この「階段状の復帰」が、結局いちばん早く・安全に山を楽しめる近道です。具体的なトレーニングは<a href="/posts/hiking-comeback-training-program/">復帰トレーニングプログラム3本柱</a>で紹介しています。
  </div>
</aside>

<h2 id="まとめ最初の一座は物足りないくらいでちょうどいい">まとめ：最初の一座は「物足りないくらい」でちょうどいい</h2>
<ul>
<li>ブランク中、体力（VO2max）は<strong>数週間で、思った以上に低下</strong>する<sup class="yk-ref"><a href="#ref-1">[1]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-3">[3]</a></sup>。でも段階的な再トレで<strong>きちんと戻せる</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-5">[5]</a></sup></li>
<li>だからこそ、最初の一座は<strong>急に負荷を上げない</strong>ことが最優先<sup class="yk-ref"><a href="#ref-6">[6]</a></sup></li>
<li>選ぶ基準は5つ——<strong>①標高差・コースタイムに余裕／②下りがきつくない／③撤退しやすい／④鎖場なし・整備された道／⑤時間と人の余裕</strong></li>
<li>事故が多いのは<strong>下り</strong>。疲労で感覚が鈍る前に降り終える計画を<sup class="yk-ref"><a href="#ref-8">[8]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-9">[9]</a></sup></li>
<li>膝・足首に不安がある人は、復帰前のケアとバランス練習を<sup class="yk-ref"><a href="#ref-13">[13]</a></sup></li>
</ul>
<p>最初の一座は、記録でも標高でもなく、「また山に来たい」と思える一日になることがいちばんのゴールです。控えめに、でも確実に。物足りないくらいの山から、あなたの登山ライフをもう一度ゆっくり積み直していきましょう。次の一歩が、不安より楽しさの大きい一日になりますように。</p>
<p>私自身の復帰の記録も公開しています。1年ぶりの復帰一座の日誌は<a href="/posts/hiking-return-gozaisho/">御在所岳ヴィアフェラータの記録</a>、この記事の選び方を子連れで実践した一日は<a href="/posts/kinkasan-kids-carrier/">子どもを背負って金華山へ</a>をどうぞ。</p>
<hr>
<section class="yk-references" aria-label="参考文献">
  <h2 class="yk-references__title" id="references">参考文献</h2>
  <ol class="yk-references__list">
    <li id="ref-1">Neufer PD. 1989. The Effect of Detraining and Reduced Training on the Physiological Adaptations to Aerobic Exercise Training. <em>Sports Medicine.</em></li>
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  </ol>
</section>

]]></content:encoded></item><item><title>登山の足首テーピング——PTが解説する巻き方の基本と「効く・効かない」の境界</title><link>https://yamakarte.com/posts/hiking-ankle-taping/</link><pubDate>Sun, 07 Jun 2026 00:00:00 +0900</pubDate><guid>https://yamakarte.com/posts/hiking-ankle-taping/</guid><description>登山の足首テーピング、正しく巻けていますか？理学療法士（PT）が研究データをもとに、捻挫予防に効くテープの種類・巻き方の基本・「30分で緩む」などの限界・皮膚トラブルの注意点まで解説します。</description><content:encoded><![CDATA[<p><img alt="登山者の足首テーピングの巻き方の基本と捻挫予防の効果・限界を理学療法士が解説する図解 ヤマカルテ" loading="lazy" src="/images/hiking-ankle-taping/01_eyecatch.jpg"></p>
<p>「足首をひねりやすいから、登山前にテーピングしておきたい」
「でも、巻き方が合っているのか自信がない……」</p>
<p>足首の捻挫が不安で、テーピングを試したい登山者は多いと思います。一方で、「とりあえず巻けば安心」と思っていると、実は<strong>期待しているほどの効果は得られていない</strong>かもしれません。</p>
<p>結論からお伝えすると、足首テーピングは<strong>捻挫の既往がある人の再発予防には役立ちます</strong>。ただし効果は永続せず、<strong>運動中に意外と早く緩み</strong>、しかも<strong>足首の感覚が鋭くなるから効くわけではない</strong>——というのが研究からわかっていることです。つまりテープは「お守り」であって、根本的な対策にはなりません。</p>
<p>この記事では、理学療法士（PT）として10年以上臨床に携わってきた立場から、足首テーピングについて<strong>効くしくみ・テープの種類・巻き方の基本・正しい期待値・皮膚トラブルの注意点</strong>まで、研究データをもとに整理します。読み終わるころには、「いつ・何のために巻くのか」「どこまで頼っていいのか」の判断軸が手に入ります。</p>
<aside class="yk-box yk-box--warning" role="note" aria-label="はじめに｜安全のための大切なお願い">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-warning"/></svg>
はじめに｜安全のための大切なお願い</div>
  <div class="yk-box__body">
    <p>本記事は、登山者に向けた<strong>一般的な情報提供</strong>であり、特定の個人に対する診断・治療ではありません。テーピングは巻き方や強さを誤ると、かえって血行や皮膚を傷めることがあります。次のような場合は、自己判断せず<strong>整形外科やかかりつけの理学療法士（PT）に相談</strong>してください。</p>
<ul>
<li>すでに腫れ・強い痛み・ぐらつきがある（その状態で固定する前に受診を）</li>
<li>テープを巻いた先の足指がしびれる・冷たい・色が変わる</li>
<li>皮膚に発疹・かゆみ・かぶれが出る、または繰り返す</li>
</ul>
  </div>
</aside>

<aside class="yk-box yk-box--tip" role="note" aria-label="先に結論｜テープを巻く前に">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-tip"/></svg>
先に結論｜テープを巻く前に</div>
  <div class="yk-box__body">
    <ul>
<li><strong>捻挫の既往がなければ</strong>、無理にテープを巻かなくてOK（予防目的の効果は、既往がある人ほど大きくありません）</li>
<li><strong>巻くなら</strong>、キネシオではなく<strong>リジッド（非伸縮・白）テープで外側を支える</strong>のが基本</li>
<li>テープは<strong>30分前後で緩む</strong>「お守り」。根本の再発予防は<strong>バランストレーニング</strong>です</li>
</ul>

  </div>
</aside>

<h2 id="なぜ登山でテーピングをするのか再発予防が主役">なぜ登山でテーピングをするのか——「再発予防」が主役</h2>
<p>まず、テーピングが向いている場面をはっきりさせましょう。</p>
<p>足首テーピングがもっとも力を発揮するのは、<strong>過去に捻挫をしたことがある人の再発予防</strong>です。外部サポート（テープやブレース）の研究をまとめたレビューでは、<strong>捻挫の既往がある人で、テープを使うと再発が約71%減った</strong>と報告されています（ブレースは約69%減で、両者に大きな優劣はなし）<sup class="yk-ref"><a href="#ref-1">[1]</a></sup>。別の臨床レビューでも、外部サポートと予防運動の組み合わせは、ケガをした人・していない人の両方で捻挫リスクを下げるとされています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-2">[2]</a></sup>。</p>
<p>裏を返すと、<strong>捻挫の経験がない人が予防目的で毎回巻く意義は、既往者ほど大きくありません</strong>。登山でテーピングを考えるなら、「以前ひねった足首を、不安な山行で守る」という使い方が、もっとも理にかなっています。</p>
<aside class="yk-box yk-box--pt" role="note" aria-label="PT補足｜誰のためのテープか">
  <div class="yk-box__label">
    <svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-pt"/></svg>
PT補足｜誰のためのテープか
  </div>
  <div class="yk-box__body">
    「みんな巻いているから」ではなく、「自分の足首に再発リスクがあるか」で判断しましょう。過去に何度かひねっている、下りで不安が残る——そんな足首にこそテープは効きます。逆に、健康な足首をやみくもに固定すると、後述するように膝など別の場所へ負担が移ることもあります。
  </div>
</aside>

<h2 id="テープの種類リジッド非伸縮とキネシオ伸縮">テープの種類：リジッド（非伸縮）とキネシオ（伸縮）</h2>
<p>ドラッグストアやスポーツ店には2系統のテープが並んでいます。性格がまったく違うので、目的で選びます。</p>
<ul>
<li><strong>リジッドテープ（非伸縮・白いテープ）</strong>：伸びない素材で、関節の動きを物理的に制限する。捻挫予防で「足首を支える」のはこちら</li>
<li><strong>キネシオテープ（伸縮テープ・肌色やピンクなどカラフル）</strong>：筋肉に沿って伸び縮みする。動きを止めるためではなく、サポート感や皮膚刺激を目的に使う</li>
</ul>
<p>ここで誤解されやすいのが<strong>キネシオテープ</strong>です。よく伸びて貼りやすいので「効きそう」に見えますが、<strong>研究の評価は厳しめ</strong>です。84件のランダム化比較試験をまとめた大規模レビューは、<strong>「集団を問わず、機能の向上を目的とした足関節へのキネシオテーピングは支持・推奨されない」と結論づけました</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-3">[3]</a></sup>。慢性的に足首が不安定な人（CAI）では、バランスの一部の指標がわずかに改善したという報告もありますが、効果は控えめで方向限定的、あくまで<strong>リハビリの補助</strong>という位置づけです<sup class="yk-ref"><a href="#ref-4">[4]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-5">[5]</a></sup>。</p>
<p>つまり、<strong>足首をしっかり支えたいならリジッドテープ</strong>。キネシオテープは万能の予防具ではない、と理解しておきましょう。</p>
<p>足首の捻挫予防に使うなら、非伸縮（リジッド）の38mm幅が定番です。</p>
<aside class="yk-gear yk-theme-body" data-gear-name="ニチバン バトルウィン テーピングテープ 非伸縮 38mm（2巻入）" data-gear-category="body" aria-label="おすすめギア：ニチバン バトルウィン テーピングテープ 非伸縮 38mm（2巻入）">
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<h2 id="テープの正しい期待値効くけれど過信は禁物">テープの「正しい期待値」——効くけれど、過信は禁物</h2>
<p>ここがこの記事でいちばん大事なところです。テープは効きますが、<strong>思っているほど長くは効きません</strong>。</p>
<h3 id="1-30分前後で緩んでくる">1. 30分前後で緩んでくる</h3>
<p>非伸縮テープの制動力は、運動を始めると驚くほど早く落ちます。ある研究では、<strong>30分のトレーニングで、回外（足首が内側にひねられる動き）の制動効果が42.3%、底屈（つま先を伸ばす動き）の制動が47.6%も低下</strong>しました<sup class="yk-ref"><a href="#ref-6">[6]</a></sup>。トレッドミルで走った別の研究では、<strong>5分も走らないうちに足首の動く範囲が「テープなし」とほぼ同じに戻った</strong>と報告されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-7">[7]</a></sup>。長時間の装着でも低下は続き、24時間後にはサポート力が約58%減ったというデータもあります<sup class="yk-ref"><a href="#ref-8">[8]</a></sup>。</p>
<p>登山に置き換えると、<strong>朝にきっちり巻いても、行動を始めれば数十分でかなり緩む</strong>ということ。長い行動時間の山では、テープは「一日中効き続ける装備」ではないと心得てください。</p>
<h3 id="2-感覚が鋭くなるから効くわけではない">2. 「感覚が鋭くなるから効く」わけではない</h3>
<p>「テープを貼ると足首のセンサーが敏感になって、ひねる前に立て直せる」という説明をよく聞きます。しかし、<strong>研究はこれを支持していません</strong>。再発性の捻挫がある人を調べた研究では、<strong>テープの保護効果は固有感覚（関節の位置を感じる感覚）の向上から来るものではない</strong>と示されました<sup class="yk-ref"><a href="#ref-9">[9]</a></sup>。8つの研究を統合した解析でも、<strong>テープやブレースの有無で固有感覚の精度に有意な差はなかった</strong>と報告されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-10">[10]</a></sup>。</p>
<p>ではテープは何で効いているのか。もっとも確からしいのは、<strong>限られた機械的な支えと、貼っているという安心感</strong>です<sup class="yk-ref"><a href="#ref-11">[11]</a></sup>。歩行中に足首を急にひねらせる実験では、内反を抑える効果は「ブレース＞テープ＞なし」の順で、<strong>テープもブレースも主観的な安定感を同じくらい高めました</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-12">[12]</a></sup>。関節の位置覚が一部改善したという報告もありますが<sup class="yk-ref"><a href="#ref-13">[13]</a></sup>、決め手にはなっていません。</p>
<aside class="yk-box yk-box--pt" role="note" aria-label="PT補足｜テープは『気をつけるきっかけ』">
  <div class="yk-box__label">
    <svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-pt"/></svg>
PT補足｜テープは『気をつけるきっかけ』
  </div>
  <div class="yk-box__body">
    テープのいちばんの効果は、もしかすると「巻いている感覚が、足の置き方を丁寧にさせる」ことかもしれません。これは馬鹿にできない利点です。ただし、それは<strong>あなた自身が慎重に歩くこと</strong>で成り立つもの。テープに守ってもらうのではなく、テープをきっかけに自分が守る、という意識が大切です。
  </div>
</aside>

<h2 id="足首テーピングの基本巻き方の流れ">足首テーピングの基本——巻き方の流れ</h2>
<p>巻き方の全体像をつかんでおきましょう。足首の内反（内側へのひねり）を抑える基本形は、次の順で組み立てます。<strong>正確な手技は動画や専門家から習うのが安全</strong>なので、ここでは「何のための一手か」を理解するための流れとして読んでください。</p>
<ol>
<li><strong>下巻き（アンダーラップ）</strong>：皮膚を守るため、まず保護材を薄く巻く。かぶれ・皮むけ予防の要</li>
<li><strong>アンカー（土台）</strong>：下腿の下のほうと足の甲に、テープを軽く一周。すべての起点になる土台</li>
<li><strong>スターアップ（あぶみ）</strong>：内くるぶし側から足裏を通して外くるぶし側へ垂直に。<strong>外側を軽く引き上げる</strong>ことで内反を抑える</li>
<li><strong>ホースシュー（馬蹄）</strong>：くるぶしの下を囲むように水平に。スターアップと交互に2〜3回重ねる（バスケットウィーブ）</li>
<li><strong>フィギュアエイト（8の字）</strong>：足首と足の甲を8の字に通して全体を安定させる</li>
<li><strong>ヒールロック（踵固め）</strong>：踵を斜めに巻き込み、後ろからのぐらつきを抑える</li>
<li><strong>仕上げのアンカー</strong>：端を留めて完成</li>
</ol>
<p>ポイントは、<strong>内反を止めたいなら外側を支える</strong>という方向性です。やみくもにきつく巻くのではなく、必要な方向に必要なだけ。</p>
<aside class="yk-box yk-box--warning" role="note" aria-label="巻くときの注意｜強さと血行">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-warning"/></svg>
巻くときの注意｜強さと血行</div>
  <div class="yk-box__body">
    <ul>
<li><strong>きつく巻きすぎない</strong>。足指がしびれる・冷たい・色が変わるのは締めすぎのサイン。すぐ緩める</li>
<li><strong>皮膚を引っぱった状態で固定しない</strong>（水ぶくれ・皮むけの原因）</li>
<li>行動中に<strong>緩んだら巻き直す</strong>前提で、予備のテープを持つ</li>
<li>自信がなければ、まずは<strong>専門家に一度巻いてもらって&quot;正解の強さ&quot;を体で覚える</strong>のが近道</li>
</ul>

  </div>
</aside>

<p>下りでの着地や膝の使い方も、足首の負担と地続きです。あわせて<a href="/posts/hiking-downhill-knee-protection/">登山の「下り」で膝を守る歩き方</a>や、<a href="/posts/hiking-stretching-guide/">登山前後のストレッチ完全ガイド</a>も読んでみてください。</p>
<h2 id="テープとブレースどっちがいい">テープとブレース、どっちがいい？</h2>
<p>ここまで読まれた多くの方は、「毎回テープを巻くのは大変。サポーター（ブレース）ではダメ？」と思うことでしょう。あなたの疑問は正しく、結論は、<strong>多くの登山者にとってブレースのほうが現実的</strong>です。</p>
<p>予防効果そのものは、前述のとおり<strong>テープとブレースでほぼ互角</strong>です<sup class="yk-ref"><a href="#ref-1">[1]</a></sup>。差が出るのは<strong>コストと手間</strong>。高校アメフト選手のランダム化試験では、捻挫の発生率はテープとブレースで差がなかった一方、<strong>テープは1足首あたり約67秒×シーズンで合計97分の手間がかかり、シーズン通したテープ代は市販ブレースの価格を上回りました</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-14">[14]</a></sup>。別の費用分析でも、<strong>テープはブレースより約3倍高価</strong>と報告されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-15">[15]</a></sup>。臨床レビューも、<strong>コストとリスク低減の点でブレースが最良の選択肢になりやすい</strong>としています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-2">[2]</a></sup>。</p>
<p>さらに、運動後まで支えを保ちたいなら、<strong>半硬性のブレースのほうがテープより制動が長持ち</strong>します（運動後の内反制限は半硬性サポートが最も強かった）<sup class="yk-ref"><a href="#ref-16">[16]</a></sup>。</p>
<p>整理すると——</p>
<ul>
<li><strong>テープが向く人</strong>：正しく巻ける／特定の山行だけピンポイントで支えたい</li>
<li><strong>ブレースが向く人</strong>：手軽さ・コスト・続けやすさを重視／毎回の再発予防に使いたい</li>
</ul>
<p>再発予防を「無理なく続ける」という観点では、ブレースに分があります。具体的な製品選びや、捻挫そのものの対処・予防の全体像は、前回の記事<a href="/posts/hiking-ankle-sprain/">登山で足首をひねった——PTが解説する原因・対処・予防</a>で詳しくまとめています（再発予防に向くハードサポートのブレースもそちらで紹介しています）。</p>
<h2 id="皮膚トラブルと注意点意外と多いかぶれ">皮膚トラブルと注意点——意外と多い「かぶれ」</h2>
<p>最後に、見落とされがちな注意点です。テーピングで多いトラブルは、捻挫よりむしろ<strong>皮膚</strong>です。</p>
<p>医療用テープの皮膚科レビューでは、<strong>「真のアレルギー」はまれ</strong>で、それよりも<strong>非アレルギー性の刺激反応（赤み・皮むけ・擦れ・かゆみ）のほうが多い</strong>とされています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-17">[17]</a></sup>。アスリートは、スポーツに伴う刺激でアレルギー性・刺激性どちらの接触皮膚炎も起こしやすいことが知られています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-18">[18]</a></sup>。実際、健康な人にテープを48時間貼った試験では、<strong>25%に皮膚反応（赤み）が出た</strong>という報告もあり、皮膚刺激は決して珍しくありません<sup class="yk-ref"><a href="#ref-19">[19]</a></sup>。</p>
<p>頻度は低いものの、<strong>真のアレルギー</strong>もあります。アスレチックテープに含まれる特定の成分（樹脂や松ヤニ由来のコロホニウムなど）で、重いかぶれを起こした症例が報告されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-20">[20]</a></sup>。</p>
<aside class="yk-box yk-box--warning" role="note" aria-label="こんな皮膚の変化は要注意">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-warning"/></svg>
こんな皮膚の変化は要注意</div>
  <div class="yk-box__body">
    <p>次のような場合は、<strong>真の粘着剤アレルギーの可能性</strong>があります。使用を中止し、皮膚科への相談を検討してください。</p>
<ul>
<li>発疹の<strong>境界がテープの形にくっきり</strong>出る</li>
<li><strong>貼るたびに悪化する</strong>／繰り返す</li>
<li>かゆみ・水ぶくれを伴う</li>
</ul>
<p>予防には、<strong>下巻き（アンダーラップ）を使う／同じ場所に連用しない／長時間貼りっぱなしにしない／かぶれやすい人は小範囲で試してから</strong>が有効です。</p>

  </div>
</aside>

<p>テープの前に下巻き（アンダーラップ）を一枚挟むだけで、かぶれ・皮むけのリスクがぐっと下がります。テープと一緒に常備しておきたい消耗品です。</p>
<aside class="yk-gear yk-theme-body" data-gear-name="アンダーラップ（テーピング下地・70mm）" data-gear-category="body" aria-label="おすすめギア：アンダーラップ（テーピング下地・70mm）">
  <header class="yk-gear__head">
    <span class="yk-gear__label">
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  <div class="yk-gear__body">
    
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    <span>テープを直接肌に貼る前の下巻き。かぶれ・皮むけ予防の要。テーピングするなら一緒に常備を</span>
  </footer></aside>

<h2 id="まとめテープはお守り根本はバランストレーニング">まとめ：テープは「お守り」、根本はバランストレーニング</h2>
<p>最後に振り返ります。</p>
<ul>
<li>足首テーピングがいちばん効くのは、<strong>捻挫の既往がある人の再発予防</strong>（テープで約71%減）<sup class="yk-ref"><a href="#ref-1">[1]</a></sup></li>
<li>「足首を支える」なら<strong>リジッド（非伸縮）テープ</strong>。<strong>キネシオテープは予防具としては評価が低い</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-3">[3]</a></sup></li>
<li>テープの制動は<strong>30分前後で大きく緩む</strong>。一日中効き続ける装備ではない<sup class="yk-ref"><a href="#ref-6">[6]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-7">[7]</a></sup></li>
<li>効くのは<strong>限られた機械的な支えと安心感</strong>であって、感覚が鋭くなるからではない<sup class="yk-ref"><a href="#ref-9">[9]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-11">[11]</a></sup></li>
<li>手軽さ・コストでは<strong>ブレースが現実的</strong>な選択肢<sup class="yk-ref"><a href="#ref-14">[14]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-2">[2]</a></sup></li>
<li>多いトラブルは<strong>皮膚のかぶれ</strong>。境界くっきり・繰り返す発疹は中止と受診を<sup class="yk-ref"><a href="#ref-17">[17]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-19">[19]</a></sup></li>
</ul>
<p>テープはあくまで「お守り」です。一番の再発予防は、サポーターでも薬でもなく<strong>バランス（固有感覚）トレーニング</strong>——これは前回の<a href="/posts/hiking-ankle-sprain/">足首の捻挫の記事</a>でも触れたとおりです。テープやブレースで保険をかけつつ、自分の足首そのものを鍛える。その両輪で、繰り返さない足首をつくっていきましょう。あなたの次の山行が、不安より楽しさの大きい一日になりますように。</p>
<hr>
<section class="yk-references" aria-label="参考文献">
  <h2 class="yk-references__title" id="references">参考文献</h2>
  <ol class="yk-references__list">
    <li id="ref-1">Dizon JM, Reyes JJ. 2010. A systematic review on the effectiveness of external ankle supports in the prevention of inversion ankle sprains among elite and recreational players. <em>Journal of Science and Medicine in Sport.</em></li>
    <li id="ref-2">Kaminski TW, Needle AR, et al. 2019. Prevention of Lateral Ankle Sprains. <em>Journal of Athletic Training.</em></li>
    <li id="ref-3">Nunes GS, Feldkircher JM, et al. 2020. Kinesio taping does not improve ankle functional or performance in people with or without ankle injuries: Systematic review and meta-analysis. <em>Clinical Rehabilitation.</em></li>
    <li id="ref-4">Meng S, Fu X, et al. 2026. The effects of kinesio taping on dynamic balance in patients with chronic ankle instability: a systematic review and meta-analysis. <em>Frontiers in Physiology.</em></li>
    <li id="ref-5">Wilson B, Bialocerkowski A. 2015. The Effects of Kinesiotape Applied to the Lateral Aspect of the Ankle: Relevance to Ankle Sprains – A Systematic Review. <em>PLoS ONE.</em></li>
    <li id="ref-6">Meana M, Alegre L, et al. 2008. Kinematics of ankle taping after a training session. <em>International Journal of Sports Medicine.</em></li>
    <li id="ref-7">Quirke M, Harrison A. 2002. The effect of ankle joint taping on the motion of the ankle joint during treadmill running. <em>(conference proceedings).</em></li>
    <li id="ref-8">Fleet K, Galen SS, et al. 2009. Duration of strength retention of ankle taping during activities of daily living. <em>Injury.</em></li>
    <li id="ref-9">Refshauge KM, Kilbreath SL, et al. 2000. The effect of recurrent ankle inversion sprain and taping on proprioception at the ankle. <em>Medicine &amp; Science in Sports &amp; Exercise.</em></li>
    <li id="ref-10">Raymond J, Nicholson LL, et al. 2012. The effect of ankle taping or bracing on proprioception in functional ankle instability: a systematic review and meta-analysis. <em>Journal of Science and Medicine in Sport.</em></li>
    <li id="ref-11">Hume PA, Gerrard DF. 1998. Effectiveness of External Ankle Support. <em>Sports Medicine.</em></li>
    <li id="ref-12">Hall EA, Simon JE, et al. 2016. Using Ankle Bracing and Taping to Decrease Range of Motion and Velocity During Inversion Perturbation While Walking. <em>Journal of Athletic Training.</em></li>
    <li id="ref-13">Heit EJ, Lephart SM, et al. 1996. The Effect of Ankle Bracing and Taping on Joint Position Sense in the Stable Ankle. <em>Journal of Sport Rehabilitation.</em></li>
    <li id="ref-14">Mickel TJ, Bottoni CR, et al. 2006. Prophylactic bracing versus taping for the prevention of ankle sprains in high school athletes: a prospective, randomized trial. <em>Journal of Foot and Ankle Surgery.</em></li>
    <li id="ref-15">Olmsted LC, Vela LI, et al. 2004. Prophylactic Ankle Taping and Bracing: A Numbers-Needed-to-Treat and Cost-Benefit Analysis. <em>Journal of Athletic Training.</em></li>
    <li id="ref-16">Cordova ML, Ingersoll CD, et al. 2000. Influence of ankle support on joint range of motion before and after exercise: a meta-analysis. <em>Journal of Orthopaedic and Sports Physical Therapy.</em></li>
    <li id="ref-17">Smith SM, Zirwas MJ. 2015. Nonallergic Reactions to Medical Tapes. <em>Dermatitis.</em></li>
    <li id="ref-18">Kockentiet BR, Adams BB. 2007. Contact dermatitis in athletes. <em>Journal of the American Academy of Dermatology.</em></li>
    <li id="ref-19">Vo N, Richman PB, et al. 2024. The incidence of dermatitis following application of foam tape in healthy volunteers — A prospective trial. <em>American Journal of Emergency Medicine.</em></li>
    <li id="ref-20">Shono M, Ezoe K, et al. 1991. Allergic contact dermatitis from para-tertiary-butylphenol-formaldehyde resin (PTBP-FR) in athletic tape and leather adhesive. <em>Contact Dermatitis.</em></li>
  </ol>
</section>

]]></content:encoded></item><item><title>登山で足首をひねった——PTが解説する原因・その場の対処（RICEは古い？）・予防</title><link>https://yamakarte.com/posts/hiking-ankle-sprain/</link><pubDate>Sat, 06 Jun 2026 00:00:00 +0900</pubDate><guid>https://yamakarte.com/posts/hiking-ankle-sprain/</guid><description>登山で足首をひねったときの正しい対処、知っていますか？理学療法士（PT）が研究データをもとに、捻挫の原因・重症度の見分け方・最新の応急処置（RICEからPOLICE/PEACE&amp;amp;LOVEへ）・再発を防ぐ予防法まで解説します。</description><content:encoded><![CDATA[<p><img alt="足首の捻挫の応急処置がRICEから最新のPOLICE（保護・適切な負荷）へ更新されたことを示す比較図解 理学療法士による足首の捻挫ガイド" loading="lazy" src="/images/hiking-ankle-sprain/01_eyecatch.jpg"></p>
<p>「下りでぐきっと足首をひねってしまった。どう対処すればいい？」
「とりあえず冷やして安静にすればいいんだよね……？」</p>
<p>登山で足首をひねった経験、または「ひねりやすくて不安」という方は多いと思います。実は、<strong>捻挫の応急処置の常識はここ数年で大きく変わりました</strong>。長く定番だった「RICE」は、今では最善とは言えなくなっています。</p>
<p>結論からお伝えすると、いまの考え方は、安静（rest）よりも<strong>保護しながら早めに動かす</strong>ことへと変わりました。そして再発を防ぐ最強の方法は、薬やサポーターよりも<strong>バランス（固有感覚）トレーニング</strong>です。</p>
<p>この記事では、理学療法士（PT）として10年以上臨床に携わってきた立場から、足首の捻挫について<strong>原因・重症度の見分け方・最新の応急処置・再発予防・山に戻る目安</strong>まで、研究データをもとに整理します。読み終わるころには、「ひねったときどうするか」「どうすれば繰り返さないか」の判断軸が手に入ります。</p>
<aside class="yk-box yk-box--warning" role="note" aria-label="はじめに｜安全のための大切なお願い">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-warning"/></svg>
はじめに｜安全のための大切なお願い</div>
  <div class="yk-box__body">
    <p>本記事は、登山者に向けた<strong>一般的な情報提供</strong>であり、特定の個人に対する診断・治療（個別の医学的アドバイス）ではありません。次のような場合は、自己判断せず<strong>整形外科やかかりつけの理学療法士（PT）に相談</strong>してください。</p>
<ul>
<li>体重をかけられない／歩けないほど痛い</li>
<li>強い腫れ・変形・関節のぐらつきがある</li>
<li>しびれや皮膚の色の変化がある</li>
<li>数日たっても痛みや腫れが引かない</li>
</ul>
  </div>
</aside>

<aside class="yk-box yk-box--tip" role="note" aria-label="今ひねった人へ｜応急処置クイックリファレンス">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-tip"/></svg>
今ひねった人へ｜応急処置クイックリファレンス</div>
  <div class="yk-box__body">
    <p>急いで対処を知りたい方へ、最初の動きだけ先にまとめます（詳しくは「<a href="#%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%A0%B4%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%87%A6rice%E3%81%AF%E3%82%82%E3%81%86%E5%8F%A4%E3%81%84%E4%BB%8A%E3%81%AF-police--peace--love">その場の対処</a>」へ）。</p>
<ol>
<li><strong>まず安全な場所へ</strong>。無理に歩き続けない。体重をかけられないなら行動中止</li>
<li><strong>保護と圧迫＋挙上</strong>：テープ・包帯・ブレースで支え、患部を心臓より高く</li>
<li><strong>冷却・痛み止めは「対症」と割り切る</strong>（痛みの一時しのぎ。治りは早めない）</li>
<li><strong>痛くない範囲で早めに動かす</strong>。腫れが落ち着いたら、少しずつ足首を動かす</li>
</ol>
<p>ポイントは「安静一辺倒ではなく、<strong>守りながら早めに動かす</strong>」。理由と段階は本文で解説します。</p>

  </div>
</aside>

<h2 id="登山で足首をひねるのはなぜまず原因を知る">登山で足首をひねるのはなぜ？——まず原因を知る</h2>
<p>足首の捻挫（足関節捻挫）は、身体活動をする人にとって<strong>最も多い筋骨格系のケガのひとつ</strong>で、再発しやすく、放っておくと慢性的な不安定感につながることもあります<sup class="yk-ref"><a href="#ref-1">[1]</a></sup>。</p>
<p>登山も例外ではありません。ある調査では、登山中の足首捻挫の発生率は9.15%でした。そして、その多くが<strong>ザレ場</strong>（約52%）と<strong>下り坂</strong>（約50%）で起きています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-2">[2]</a></sup>。「下りで気が緩んだ瞬間」が、いちばん危ないのです。</p>
<p>ほとんどは<strong>内反捻挫</strong>、つまり足首が内側にぐきっとひねられて起こります。このとき最初に傷つくのが、外くるぶしの前にある<strong>前距腓靱帯（ATFL）</strong>。足首の靱帯の中でいちばん弱く、ひねりの力に耐えきれずに損傷します<sup class="yk-ref"><a href="#ref-3">[3]</a></sup>。</p>
<aside class="yk-box yk-box--pt" role="note" aria-label="PT補足：登山で足首が危ない瞬間">
  <div class="yk-box__label">
    <svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-pt"/></svg>
PT補足：登山で足首が危ない瞬間
  </div>
  <div class="yk-box__body">
    危ないのは「下り」と「疲れた午後」です。疲労でフォームが崩れ、足の置き方が雑になると、不整地で足首が外へ流れやすくなります。会話が減り、足が重く感じてきたら、ペースを落とす・休む合図。捻挫は一瞬の不注意で起きます。
  </div>
</aside>

<h2 id="どこからが受診すべき捻挫重症度の見分け方">どこからが「受診すべき」捻挫？重症度の見分け方</h2>
<p>捻挫は重症度で3段階に分けられます<sup class="yk-ref"><a href="#ref-4">[4]</a></sup>。</p>
<ul>
<li><strong>Grade I（軽症）</strong>：ATFLの部分的な損傷。腫れ・痛みは軽く、なんとか歩ける</li>
<li><strong>Grade II（中等症）</strong>：ATFLの完全〜部分断裂に加え、ATFLに次いで傷みやすい外側の靱帯<strong>踵腓靱帯</strong>（CFL）も損傷することがある。腫れと機能低下が目立つ</li>
<li><strong>Grade III（重症）</strong>：ATFLとCFLが完全に断裂し、明らかな不安定感が出る</li>
</ul>
<p>Grade I・IIは、後述する適切なケアでよくなることがほとんどです。一方で<strong>Grade IIIは治りにくく、手術が必要になる場合もあります</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-4">[4]</a></sup>。山中で「体重をかけられない」「ぐらぐらする」と感じたら、それは軽くないサインです。冒頭の受診の目安を思い出してください。</p>
<h2 id="その場の対処riceはもう古い今は-police--peace--love">その場の対処：「RICE」はもう古い？——今は POLICE / PEACE &amp; LOVE</h2>
<p>ここが、いちばんアップデートが必要なところです。</p>
<p>長いあいだ「捻挫といえば<strong>RICE</strong>（Rest 安静・Ice 冷却・Compression 圧迫・Elevation 挙上）」と教わってきました。ところが、<strong>RICEの有効性を裏づける質の高い研究は、実は十分にありません</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-5">[5]</a></sup>。とくに問題なのが最初の「R＝安静」です。</p>
<p>近年の考え方では、<strong>長すぎる安静はむしろ組織の回復を妨げる</strong>とされ、キーワードは「rest（安静）」から「optimal loading（適切な負荷＝痛くない範囲で早めに動かす）」に置き換わりました。これを表したのが新しい合言葉 <strong>POLICE</strong> や <strong>PEACE &amp; LOVE</strong> です<sup class="yk-ref"><a href="#ref-6">[6]</a></sup>。</p>
<p>では、それぞれの頭文字は何を表すのでしょうか。順に見てみます。</p>
<p><strong>POLICE</strong> は、<strong>P</strong>rotection（保護）・<strong>O</strong>ptimal <strong>L</strong>oading（適切な負荷）・<strong>I</strong>ce（冷却）・<strong>C</strong>ompression（圧迫）・<strong>E</strong>levation（挙上）の頭文字です。RICEの「Rest（安静）」が、<strong>保護しながら痛くない範囲で適切に動かす</strong>ことへ置き換わったのが最大の違いです。</p>
<p>さらに新しい <strong>PEACE &amp; LOVE</strong> は、捻挫のような軟部組織のケガを「受傷直後（PEACE）」と「その後の回復期（LOVE）」の2段階に分けて考えます。</p>
<p>受傷直後の <strong>PEACE</strong>：</p>
<ul>
<li><strong>P</strong>rotection（保護）：数日は無理に負荷をかけず、患部を守る</li>
<li><strong>E</strong>levation（挙上）：患部を心臓より高く上げ、腫れを抑える</li>
<li><strong>A</strong>void（消炎鎮痛薬・過度な冷却を避ける）：自然な治癒の流れを邪魔しない</li>
<li><strong>C</strong>ompression（圧迫）：テープや包帯で腫れを抑える</li>
<li><strong>E</strong>ducation（教育）：正しい知識を持ち、不要な治療や過度な安静を避ける</li>
</ul>
<p>回復期の <strong>LOVE</strong>：</p>
<ul>
<li><strong>L</strong>oad（負荷）：痛くない範囲で少しずつ動かし、組織を強くする</li>
<li><strong>O</strong>ptimism（楽観）：前向きな気持ちそのものが回復を後押しする</li>
<li><strong>V</strong>ascularisation（血流）：軽い有酸素運動で患部の血流を促す</li>
<li><strong>E</strong>xercise（運動）：可動域・筋力・バランスを段階的に取り戻す</li>
</ul>
<p>要するに、どちらも「安静一辺倒をやめ、守りながら早めに動かす」という同じ方向を向いています。</p>
<p>実際、初回の捻挫を比べた研究では、<strong>早期に動かした群のほうが職場復帰が圧倒的に早い</strong>（10日後に54% vs 固定群13%）と報告されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-7">[7]</a></sup>。ガイドラインでも、急性期は<strong>早期の運動と、テープやブレースによる保護＋運動プログラムの併用が最も有益</strong>とされています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-8">[8]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-9">[9]</a></sup>。</p>
<aside class="yk-box yk-box--tip" role="note" aria-label="登山中・受傷直後の現実的な対処">
  <div class="yk-box__label"><svg class="yk-icon yk-box__icon" aria-hidden="true" focusable="false"><use href="/icons.svg#icon-tip"/></svg>
登山中・受傷直後の現実的な対処</div>
  <div class="yk-box__body">
    <ol>
<li><strong>無理に歩き続けない</strong>：まず安全な場所へ。痛みが強い・体重をかけられないなら行動を中止</li>
<li><strong>保護と圧迫</strong>：テーピングや包帯、ブレースで支える。腫れには圧迫と挙上が役立つ</li>
<li><strong>冷却・痛み止めは「対症」と割り切る</strong>：氷やNSAIDs（消炎鎮痛薬）は痛み・腫れの一時しのぎには使えますが、<strong>治りを早める証拠は乏しく、むしろ自然治癒を妨げる可能性</strong>も指摘されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-8">[8]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-6">[6]</a></sup>。常用ではなく短期に</li>
<li><strong>痛くない範囲で早めに動かす</strong>：腫れが落ち着いたら、無理のない範囲で足首を動かし始める</li>
</ol>

  </div>
</aside>

<p>つまり、<strong>「とにかく安静・冷却」から「保護しながら早めに動かす」へ</strong>。これが今の標準的な考え方です。</p>
<p>念のため補足すると、これは「RICEが全部まちがいだった」という話ではありません。圧迫・挙上は今も役立つ対症ケアで、大きく見直されたのは主に「<strong>R＝安静</strong>」の部分。RICEが否定されたのではなく、より良い枠組みへ<strong>アップデートされた</strong>と捉えるのが正確です。</p>
<h2 id="再発を防ぐ最強の方法はバランス固有感覚トレーニング">再発を防ぐ最強の方法は「バランス（固有感覚）トレーニング」</h2>
<p>捻挫の怖いところは、<strong>一度やると繰り返しやすい</strong>ことです。では何が一番効くのか——答えは、薬でもサポーターでもなく<strong>バランス（固有感覚）トレーニング</strong>です。</p>
<p>7つのRCTをまとめたメタ解析では、固有感覚トレーニングで<strong>捻挫の発生が約35%減少</strong>（とくに捻挫の既往がある人で効果が大きい）と報告されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-10">[10]</a></sup>。別のメタ解析でも、神経筋トレーニングで捻挫が有意に減り、その核心は「<strong>バランストレーニングそのもの</strong>」で、専用の道具（バランスボード）の有無は問わないとされています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-11">[11]</a></sup>。</p>
<p>家でできる代表が、<strong>片脚立ち</strong>です。最初は目を開けて、慣れたら目を閉じて、さらに不安定なクッションの上で——と段階を上げます。ふくらはぎや足裏の細かい筋肉が、足首の「ぐらつき」を察知して立て直す感覚を鍛えられます。</p>
<aside class="yk-box yk-box--pt" role="note" aria-label="PT補足：ボード万能ではない">
  <div class="yk-box__label">
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PT補足：ボード万能ではない
  </div>
  <div class="yk-box__body">
    ウォブルボード（不安定な板）に乗るだけでは片脚バランスが改善しなかった、という研究もあります<sup class="yk-ref"><a href="#ref-12">[12]</a></sup>。大事なのは「不安定な状況で、実際に足首をコントロールする練習」。山歩きに近い、片脚で踏ん張る・段差を降りるといった<strong>実動作に近い課題</strong>ほど効果的です。
  </div>
</aside>

<p>道具で補助したい場合は、<strong>アンクルサポーター（ブレース）やテーピング</strong>も選択肢です。とくに<strong>捻挫の既往がある人</strong>では、外部サポートで再発が大きく減ることが分かっています（既往者でブレース約69%減・テープ約71%減、両者に大きな優劣はなし）<sup class="yk-ref"><a href="#ref-13">[13]</a></sup>。再発予防ではブレースが運動だけより有効という報告もあります<sup class="yk-ref"><a href="#ref-14">[14]</a></sup>。ただし<strong>根本はあくまで自分の足首の機能</strong>。サポーターは「保険」と考え、バランストレーニングと組み合わせるのが王道です。</p>
<aside class="yk-gear yk-theme-body" data-gear-name="ザムスト アンクルブレース A2-DX" data-gear-category="body" aria-label="おすすめギア：ザムスト アンクルブレース A2-DX">
  <header class="yk-gear__head">
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      <span class="yk-gear__kicker">GEAR</span><span class="yk-gear__name">ザムスト アンクルブレース A2-DX</span></span><span class="yk-gear__badge">PT&#39;s PICK</span></header><div class="yk-gear__price">価格・在庫はリンク先でご確認ください</div>
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  </div><footer class="yk-gear__note">
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    <span>半硬性のハードサポート。捻挫の既往がある方の再発予防・ぐらつきの保険に。左右別タイプなので、購入時は患側（右足/左足）の選択に注意。あくまでバランストレと併用が王道</span>
  </footer></aside>

<p>下りでの膝・着地の使い方も捻挫予防と地続きです。あわせて<a href="/posts/hiking-downhill-knee-protection/">登山の「下り」で膝を守る歩き方</a>や、足元の準備に役立つ<a href="/posts/hiking-stretching-guide/">登山前後のストレッチ完全ガイド</a>も読んでみてください。</p>
<h2 id="登山靴のハイカットは捻挫を防ぐ意外な答え">登山靴のハイカットは捻挫を防ぐ？——意外な答え</h2>
<p>「足首を守るならハイカットの登山靴」とよく言われます。でも、<strong>研究の答えは思ったほど単純ではありません</strong>。</p>
<p>たしかにラボの実験では、ハイカットは足首の内反（ひねり）の量や速度を抑えます<sup class="yk-ref"><a href="#ref-15">[15]</a></sup>。ところが、<strong>実際のケガの発生率で比べると、ハイカットとローカットで有意な差は出なかった</strong>という報告が複数あります<sup class="yk-ref"><a href="#ref-16">[16]</a></sup>。「動きを制限する＝捻挫を防ぐ」とは限らないのです。</p>
<p>さらに登山靴に特化した研究では、<strong>シャフトが硬い靴は足首の動きを抑える代わりに、負荷を膝へ移し、膝の負担を増やす可能性</strong>が示されています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-17">[17]</a></sup>。そして登山でのリスク因子として実際に挙がっていたのは、カットの高さではなく「<strong>サイズの合わない・きつい靴</strong>」でした<sup class="yk-ref"><a href="#ref-2">[2]</a></sup>。</p>
<p>つまり、<strong>「ハイカットだから安心」と鵜呑みにせず、まずは“足に合った靴”を選ぶこと</strong>が大切です。靴選びの具体例は<a href="/posts/fuji-gear-checklist/">富士山の持ち物・装備リスト</a>でも紹介しています（富士山に限らず応用できます）。</p>
<h2 id="山に戻る目安日数より動けるかで判断する">山に戻る目安：「日数」より「動けるか」で判断する</h2>
<p>「捻挫したら何日で復帰できる？」とよく聞かれますが、<strong>“○日で復帰”という確かな基準は、実は存在しません</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-18">[18]</a></sup>。靱帯の強度は受傷後<strong>数か月かけて</strong>ゆっくり戻るため、時間だけを目安にするのは危険です<sup class="yk-ref"><a href="#ref-19">[19]</a></sup>。</p>
<p>代わりに見るべきは「<strong>ちゃんと動けるか</strong>」。専門家のコンセンサスでは、復帰の前に次を確認するとされています<sup class="yk-ref"><a href="#ref-20">[20]</a></sup>。</p>
<ul>
<li><strong>痛み</strong>：歩行や動作で強い痛みが出ないか</li>
<li><strong>可動域と筋力</strong>：左右差なく動かせ、踏ん張れるか</li>
<li><strong>バランス・固有感覚</strong>：片脚で安定して立てるか</li>
<li><strong>実動作</strong>：ジャンプ・方向転換・段差の上り下りができるか</li>
<li><strong>自信</strong>：「またひねりそう」という不安が消えているか</li>
</ul>
<p>登山に置き換えるなら、<strong>平地でしっかり歩けて、片脚で安定し、段差を不安なく降りられる</strong>——これが戻ってよいサインです。焦って復帰すると、再発・慢性化への近道になります。</p>
<h2 id="まとめ足首の捻挫は正しく対処しっかり予防">まとめ：足首の捻挫は「正しく対処、しっかり予防」</h2>
<p>最後に振り返ります。</p>
<ul>
<li>登山の足首捻挫は<strong>下り・ザレ場</strong>で多く、傷つくのは外側の<strong>ATFL</strong><sup class="yk-ref"><a href="#ref-2">[2]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-3">[3]</a></sup></li>
<li>重症度はGrade I〜III。<strong>体重をかけられない・ぐらつく</strong>なら受診を<sup class="yk-ref"><a href="#ref-4">[4]</a></sup></li>
<li>応急処置は<strong>RICEから更新</strong>。安静・冷却一辺倒ではなく、<strong>保護しながら早めに動かす</strong>（POLICE / PEACE &amp; LOVE）<sup class="yk-ref"><a href="#ref-5">[5]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-6">[6]</a></sup></li>
<li>再発予防の主役は<strong>バランス（固有感覚）トレーニング</strong>。既往がある人はサポーターも有効<sup class="yk-ref"><a href="#ref-10">[10]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-13">[13]</a></sup></li>
<li>ハイカットは万能ではない。<strong>足に合った靴</strong>を<sup class="yk-ref"><a href="#ref-16">[16]</a></sup><sup class="yk-ref"><a href="#ref-17">[17]</a></sup></li>
<li>復帰は「<strong>日数より動けるか</strong>」で判断<sup class="yk-ref"><a href="#ref-18">[18]</a></sup></li>
</ul>
<p>足首の捻挫は、正しく対処して、しっかり予防すれば、繰り返さずに山を楽しみ続けられます。「ひねったら冷やして安静」で止まっていた方は、ぜひ知識をアップデートして、自分の足首を守ってあげてください。</p>
<hr>
<p>この記事で触れたテーピングは、<a href="/posts/hiking-ankle-taping/">登山者向けの足首テーピングの巻き方</a>で基本から図解しています。あわせてご活用ください。</p>
<section class="yk-references" aria-label="参考文献">
  <h2 class="yk-references__title" id="references">参考文献</h2>
  <ol class="yk-references__list">
    <li id="ref-1">Gribble PA, Bleakley CM, et al. 2016. Evidence review for the 2016 International Ankle Consortium consensus statement on the prevalence, impact and long-term consequences of lateral ankle sprains. <em>British Journal of Sports Medicine.</em></li>
    <li id="ref-2">Lam WO, Lui TH, et al. 2011. The Epidemiology of Ankle Sprain During Hiking in Uniformed Groups. <em>Journal of Orthopaedics, Trauma and Rehabilitation.</em></li>
    <li id="ref-3">Fong DT, Chan YY, et al. 2009. Understanding acute ankle ligamentous sprain injury in sports. <em>Sports Medicine, Arthroscopy, Rehabilitation, Therapy &amp; Technology.</em></li>
    <li id="ref-4">Dabadghav R. 2019. Rehabilitation of Lateral Ankle Sprains in Sports. <em>Essentials in Hip and Ankle.</em></li>
    <li id="ref-5">van den Bekerom MPJ, Struijs PAA, et al. 2012. What is the evidence for rest, ice, compression, and elevation therapy in the treatment of ankle sprains in adults? <em>Journal of Athletic Training.</em></li>
    <li id="ref-6">Dubois B, Esculier JF. 2019. Soft-tissue injuries simply need PEACE and LOVE. <em>British Journal of Sports Medicine.</em></li>
    <li id="ref-7">Eiff MP, et al. 1994. Early Mobilization Versus Immobilization in the Treatment of Lateral Ankle Sprains. <em>American Journal of Sports Medicine.</em></li>
    <li id="ref-8">Vuurberg G, Hoorntje A, et al. 2018. Diagnosis, treatment and prevention of ankle sprains: update of an evidence-based clinical guideline. <em>British Journal of Sports Medicine.</em></li>
    <li id="ref-9">Doherty C, Bleakley C, et al. 2016. Treatment and prevention of acute and recurrent ankle sprain: an overview of systematic reviews with meta-analysis. <em>British Journal of Sports Medicine.</em></li>
    <li id="ref-10">Schiftan GS, Ross LA, et al. 2015. The effectiveness of proprioceptive training in preventing ankle sprains in sporting populations: a systematic review and meta-analysis. <em>Journal of Science and Medicine in Sport.</em></li>
    <li id="ref-11">Vriend I, Gouttebarge V, et al. 2016. Neuromuscular training is effective to prevent ankle sprains in a sporting population: a meta-analysis. <em>Journal of ISAKOS.</em></li>
    <li id="ref-12">Refshauge KM, Kilbreath SL, et al. 2001. Does wobble board training improve balance in recurrent ankle inversion sprain. <em>Medicine and Science in Sports and Exercise.</em></li>
    <li id="ref-13">Dizon JMR, Reyes JJB. 2010. A systematic review on the effectiveness of external ankle supports in the prevention of inversion ankle sprains among elite and recreational players. <em>Journal of Science and Medicine in Sport.</em></li>
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    <li id="ref-15">Ricard MD, Schulties SS, et al. 2000. Effects of high-top and low-top shoes on ankle inversion. <em>Journal of Athletic Training.</em></li>
    <li id="ref-16">Barrett JR, Tanji JL, et al. 1993. High- versus low-top shoes for the prevention of ankle sprains in basketball players. <em>American Journal of Sports Medicine.</em></li>
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    <li id="ref-18">Tassignon B, Verschueren J, et al. 2019. Criteria-Based Return to Sport Decision-Making Following Lateral Ankle Sprain Injury: a Systematic Review and Narrative Synthesis. <em>Sports Medicine.</em></li>
    <li id="ref-19">Wolfe MW, Uhl TL, et al. 2001. Management of ankle sprains. <em>American Family Physician.</em></li>
    <li id="ref-20">Smith MD, Vicenzino B, et al. 2021. Return to sport decisions after an acute lateral ankle sprain injury: introducing the PAASS framework. <em>British Journal of Sports Medicine.</em></li>
  </ol>
</section>

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