「御在所岳のヴィアフェラータが気になる。でも、どこから入って、どこへ抜けるのか分からない……」 「鉄の足場があるとはいえ、自分の技量で登れる岩場なのか見当がつかない」
御在所岳のヴィアフェラータは、低山でアルパイン的な岩登りを味わえる貴重なルートです。鉄の足場が並ぶ岩壁は、私には思ったより親切に感じました。苦手な岩場は樹林帯から巻くこともできます。一方で、道は分かりにくく、設置物は年によって変わります。初めてなら、経験者の同行が前提です。
この記事では、理学療法士(PT)として体の使い方を見てきた立場と、140座以上を歩いてきた経験から、2021年10月に18人のグループで歩いたヴィアフェラータと富士見尾根を紹介します。攻略ガイドではなく、どんな道で、どんな景色と緊張があるのかを伝える紹介記事です。読み終えるころには、自分がこのルートに挑むなら誰と、どんな準備で行くかが見えてくるはずです。

そもそも御在所岳のヴィアフェラータと富士見尾根はどんな道?──花崗岩で遊ぶバリエーションルート
御在所岳(1,212m)は、三重県と滋賀県の境にある鈴鹿山脈の山です。ロープウェイで山上まで上がれる観光地でありながら、山肌には花崗岩の岩場や奇岩が数多くあり、登山道も何本もあります。私の山行記録のなかで、いちばん多く登っている山でもあります。
今回は御在所岳そのものではなく、一般登山道から外れた2本のバリエーションルート(整備された登山道ではない、上級者向けの道)に絞って紹介します。
地形・特徴
- ヴィアフェラータ:イタリア語で「鉄の道」という意味です。裏道の奇岩「兎の耳」付近から沢の右岸に入り、岩壁をいくつも直登して、中道の7合目手前に合流します。岩には、U字形の鉄の足場(通称「ホッチキス」)やワイヤーが取り付けられた区間があります
- 富士見尾根:中道の8合目付近から分かれて、岩の隙間や岩壁を登り、山上の富士見岩展望台に出る尾根です。岩の隙間や岩壁を、自分の手足で岩をつかんで登る場面があります
PT視点:体の負担
- 三点支持で登る時間が長い:両手両足のうち3つで体を支え、1つだけを動かす「三点支持」が基本になります。腕で体を引き上げ続けると、前腕が先に疲れて握りが甘くなります。脚で立ち上がり、手はバランスをとる役に回すのが理想です
- 手がかりの少ないスラブ:この日歩いた緩い一枚岩の斜面は手がかりが少なく、手で体を支えにくい場所でした。足裏の摩擦に頼る割合が大きくなり、私には急な岩壁より緊張する区間でした
- 待ち時間の冷え:大人数だと、岩場ごとに順番待ちが発生します。秋の鈴鹿は風が強く、止まっている間に体が冷えて動きがぎこちなくなります。待つ前提で防寒着を出しやすい位置に入れておきます
- 滑りやすい土の斜面:岩場をつなぐ樹林帯には、土や落ち葉で滑りやすい急斜面があります。手がかりの多い岩場より、こちらのほうが足を滑らせる危険は大きいと感じました
個人的に惹かれるところ
私はこのルートを、低山でアルパイン的な楽しみ方ができる貴重なルートだと思っています。北アルプスの岩稜まで行かなくても、日帰り圏で適度なスリルを味わえます。
慣れ親しんだ御在所岳でも、一般登山道を歩いているだけでは触れられない顔があります。花崗岩の山ならではの岩遊びが楽しめる、私の好きなルートです。
この記事では、その2本を1日でつなぎ、ロープウェイ駅で昼食をとって中道で下った記録を紹介します。
御在所岳ヴィアフェラータ・富士見尾根のコースとプラン|行程と難易度
今回は、裏道登山口から藤内小屋を経てヴィアフェラータを登り、中道を少し歩いて富士見尾根へ。富士見岩展望台に出てロープウェイ駅で昼食をとり、中道で下山する日帰りの行程です。どれも2021年10月28日に歩いたときのもので、下山に使った中道は今は利用を控えるよう案内されています。まずは基本データを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 山・標高 | 御在所岳 1,212m(今回は山頂には寄っていません) |
| エリア/起点 | 三重県菰野町/裏道登山口 |
| 距離・累積標高 | 6.1km/登り840m・下り846m(私のYAMAPの記録) |
| 行動時間 | 約9時間(休憩・順番待ちを含む。18人の大人数での時間) |
| 今回の行程 | 日帰り(2021年10月28日) |
| 核心部 | ヴィアフェラータの最後の長い岩壁、富士見尾根の入口の狭い岩の隙間 |
| アクセス注意 | 2021年に下山で使った中道は、2025年5月から「おばれ岩」付近に崩落の危険があり、利用を控えるよう案内されている(後述) |
このプランにした理由
ヴィアフェラータは、御在所岳でも有名なルートです。以前から気になってはいましたが、ルートがさっぱり分からず、挑戦できずにいました。ワイヤー類が減っているという話も聞き、ますます足が遠のいていました。
そんな2021年、有志の方からSNS上でグループ登山のお誘いがありました。経験者に案内してもらえるチャンスは、またとありません。迷わず飛びつきました。
富士見尾根は、ヴィアフェラータを抜けたあとに続けて登れるバリエーションルートです。リーダーの計画で、2本を1日でつなぐ行程になりました。
実際に歩いた行程
時刻は私の写真とYAMAPの記録から拾った実績で、標準のコースタイムではありません。大人数で順番待ちが多かったので、少人数ならもっと早く歩けます。
| 時刻 | 地点 |
|---|---|
| 7:00 | 裏道登山口に集合 |
| 8:07〜8:33 | 藤内小屋(ハーネス・ヘルメットを装着) |
| 9:00ごろ | ヴィアフェラータの取付(第一ホッチキス) |
| 12:10ごろ | 中道の7合目手前に合流 |
| 12:30ごろ | 中道8合目から富士見尾根へ |
| 13:28 | 富士見岩展望台に出る |
| 13:37〜14:34 | 山上公園駅・昼食 |
| 15:29 | 地蔵岩 |
| 15:40 | おばれ岩 |
| 16:25 | 砂防堰堤 |
| 16:35ごろ | 駐車場に戻る |
どんな人に向いているか
初心者向けのコースではありません。 鉄の足場がある岩壁は登りやすい一方で、足場もワイヤーもない岩壁や、高度感のある場所が続きます。ボルダリングや北アルプスの岩場を経験していて、三点支持で落ち着いて登れることが最低条件です。
道も分かりにくく、ルートファインディング(道を見つけて進む判断)が欠かせません。少し外れると崩れやすい場所や、迷い込みやすい場所が多くあります。初めてなら、ルートを知っている経験者と一緒に行ってください。
裏道から藤内小屋へ|18人のグループ登山の始まり
朝7時、裏道の登山口に集合しました。朝日に包まれて、素敵な1日が始まります。

今回は総勢18人の大所帯です。年齢も性別も経験もばらばらのメンバーでした。まずは登山口で、リーダーから行程と注意点の説明を受けます。

普段の私は、ソロか数人で歩く登山がほとんどです。ツアー登山やグループ登山の経験はなく、どんな1日になるのか想像がつかずソワソワしていました。そんな心配をよそに、皆さん気さくで優しく、下山するころにはすっかり打ち解けていました。
砂防ダムを越えて橋を渡り、振り返ると右奥に大きな岩が見えます。通称「熊岩」で、クライミングの練習によく使われる岩です。見上げると青空ですが、上空の雲の流れは速く、今日は風が強くなりそうな予感がしました。

藤内小屋まではスイスイ歩き、小屋の前でハーネスやヘルメットなどの装備を整えました。私が使っているのは、ブラックダイヤモンドのハーネス「モメンタム」と、TRANGOのヘルメット(THG-11)です。

兎の耳からヴィアフェラータの取付へ|目印は第一ホッチキス
全員の支度が終わり、再び裏道を歩き始めます。しばらく行くと、裏道でも有名な奇岩「兎の耳」に着きました。これ自体がクライミングスポットで、私が写真を撮った日も登っている人がいました。

※写真は2021年11月13日、後日ソロで歩いたときに撮影したものです
通常の裏道は、ここで沢を渡って左岸を進みます。この場所が、ヴィアフェラータ方面への分岐点です。私たちは沢を渡らずに、右岸の茂みのなかへ入りました。
人気のルートなので踏み跡ははっきりしていて、それほど迷う感じはありません。それでもバリエーションルートなので、ルートファインディングは必須です。
森のなかを進んでいくと、ついにヴィアフェラータの入口に着きました。目印は、岩に打たれた第一ホッチキスです。ここから始まるのかと、気を引き締めます。

引きで撮ると、こんな場所です。

※写真は2021年11月13日、後日ソロで歩いたときに撮影したものです
ヴィアフェラータの岩場を登る|鉄の足場が並ぶ岩壁へ
第一ホッチキスを越えて少し進むと、最初の岩場に着きます。たくさんのホッチキスが並んだ岩壁です。

※写真は2021年11月13日、後日ソロで歩いたときに撮影したものです
最初の岩壁でヴィアフェラータデビュー
まずはリーダーが先に登ります。

私は2番手で登らせてもらい、念願のヴィアフェラータデビューです。登ってみると、さすが「鉄の道」の名を冠するだけあって、とても親切で登りやすく感じました。これならいけそうだと、少し自信をつけて先へ進みます。

足場のない岩壁と、狭い岩のゲート
間もなく、ホッチキスもワイヤーもない岩壁に着きました。傾斜は緩く、ボルダリングやアルプスの岩場の経験がある私には、落ち着いて通過できる岩壁でした。

ここからはリーダーがロープを出してくださり、安心できる環境で登らせてもらいました。未経験の人には、とてもありがたい配慮です。私は経験上いけると判断して、ロープでの確保は受けず、ロープに一度も触れずに登りました。
このあたりから、人数が多いぶん待ち時間が長くなりました。冷たい風に吹かれながらの待機はつらかったです。そんななかでも補助にあたってくれた方々には、本当に感謝しています。
次は、写真などでよく見る狭い岩のゲートです。

※写真は2021年11月13日、後日ソロで歩いたときに撮影したものです
回り込むと、高度感のある岩場を進みます。上から見るとこんな感じです。出発点の兎の耳も、眼下に見下ろせました。直登しているだけあって、疲れのわりにかなり早いペースで高度を上げている感覚があります。

「2」のホールドと、巻き道という選択
この先は、ルートが少し分かりにくい場所です。そのまま岩場を直登したくなりますが、リーダーについて、岩場を西側に下り、茂みのなかへ入りました。

私は、岩場よりこういう滑りやすい場所のほうが、滑落の危険を感じて怖く思います。
ここを抜けると、数字の「2」の形をしたホールド(手がかり)が取り付けられた岩場に出ます。ここで再び岩場に登り、西側から巻くように登っていきます。ホッチキスが3つ付いた場所に出れば正解です。登り切ると、再び樹林帯に戻ります。


※2枚とも2023年10月29日、育児ブランク明けの復帰登山で撮影したものです
この日はリーダーの判断で、この岩場を飛ばしました。高度感のある場所が長く続くので、大人数では安定したサポートが難しいと判断したためです。「2」のホールドのところから、全員でそのまま樹林帯を直登しました。
実は、ヴィアフェラータの岩場は、どれも樹林帯から巻いていくことができます。技量や人数に応じて、岩場を飛ばす選択ができるのです。
U字のホッチキスが並ぶ岩壁と、緩いスラブ
どちらの道からも、樹林帯を進むと次の岩壁に着きます。再びホッチキスがびっしりと並ぶ岩壁です。

ここはU字のホッチキスで、少し左にトラバース(横移動)する箇所だけが怖く感じます。上に行ってしまえばハシゴの感覚で、私には登りやすく感じました。
登り切って少し上がると、すぐに次の岩場です。ここは最初の一歩が高く、皆さん最初の足上げに苦労していました。

※写真は2021年11月13日、後日ソロで歩いたときに撮影したものです
そこを登り切ると、緩い傾斜の岩場が続きます。

この岩場のてっぺんには、かつてフクロウの形のホールドがあり、正規ルートの目印になっていました。2021年には、写真のとおりまだ残っていました。ただ、今はこのホールドは無くなり、ボルトの名残だけになっているようです。

ここまで来ると景色が大きく開け、国見岳方面の眺めもよくなります。御在所岳側はちょうど紅葉していて、景色に見とれてしまいました。


ヴィアフェラータのラスボス|長く続く岩壁
休息もつかの間、ついにヴィアフェラータの最後の岩壁が現れます。長く続く岩壁は、なかなかの威圧感です。メンバーからは、驚きや恐怖、楽しみなど、さまざまな声が聞こえてきました。

長く見えますが、中段で小休止を挟めます。どうしても難しい人は、左側の茂みに巻き道があり、ここも飛ばせます。
まずはリーダーがロープを持って先に登ってくれました。不安な人は、中段からアッセンダー(登高器:固定したロープに取り付けて使う金属製の器具。上へはロープに沿って滑らせて動かせ、下向きに体重がかかると内部の歯がロープを噛んで止まる仕組みで、ずり落ちを防ぎます)を着けて登っていました。

私は、いずれソロでも挑戦するつもりでした。そのため、この岩壁も確保は受けず、ロープに触れずに登りました。
登り切ったところから見下ろすと、はるか下に兎の耳が見えます。あそこから登ってきたのかと、しばらく感傷にひたりました。

最後の岩壁を越えると、再び茂みのなかへ分け入ります。それなりにはっきりした道を登っていくと、一般登山道の中道の7合目手前に合流しました。

崖側にトラロープが張られている場所です。中道を普通に登っていたころは、崖への転落防止だと思っていました。まさか、ヴィアフェラータからの合流地点だったとは。踏み跡がはっきりしているので、一般の登山者が迷い込むのを防いでいるようです。
中道から富士見尾根へ|遭難碑の前で立ち止まる
ここからは、しばらく中道に沿って進みます。

途中の紅葉が、とてもきれいでした。

8合目に着いたところで、再び中道を外れてバリエーションルートへ進みます。

中道は、ここから鎖を頼りにクライムダウン(岩を後ろ向きに下る動き)していく場所です。富士見尾根へは、下らずに左の茂みへ分け入ります。

目印は、この遭難碑です。

碑には「山を知り 山を愛し いま山に還る」と記されています。この言葉を読み、故人をしのびます。安全登山への意識を持ち直し、進むか退くかをもう一度考えます。それでも行けると判断したときだけ、先に進みます。
富士見尾根を登って富士見岩へ|岩の隙間と藪漕ぎの先に
富士見尾根は、狭い岩の隙間を登るところから始まります。ここもリーダーがロープを出してくれました。

狭いので高度感はそれほどありません。そのかわり、先が見えないのがやや難しいところです。上部にしっかりしたホールドがあり、ボルダリングなどに慣れている人なら、技術的な難しさはそれほど高くありません。ただ、狭いのでウェアやザックが岩に擦れて破れないよう注意が必要です。
登り切ると、一気に開けた尾根の上に出ます。

見下ろすと、中道の地蔵岩やおばれ岩がよく見えます。

尾根を少し登り、岩沿いに左へ進むと、再び登れる岩壁が現れます。

上から見ると、こんな感じです。

ここを登り切ると、富士見尾根はほぼ終わりです。あとは藪を漕いでゴールを目指すだけ。風になびくススキに、秋の気配を感じました。


藪を抜けると、中道の終着点にある富士見岩の展望台に、ひょっこりと出ます。どう見ても登山道ではなさそうなところから現れるので、観光客の方々にはとくに驚かれました。

ロープウェイ駅でお昼ごはん|カレーうどんと真菰のソフトクリーム
人数が多かったこともあり、時間はだいぶ遅くなっていました。おなかはぺこぺこです。ロープウェイの山上公園駅で、お昼ごはんにしました。
いつもどおり、カレーうどんをいただきます。

デザートには、菰野町の名物の真菰茸(マコモダケ)を使った、真菰ミックスのソフトクリームを選びました。

中道で下山|地蔵岩とおばれ岩(2021年当時)
帰りは中道を下りました。
6合目付近のキレットを登り返します。

途中では、御在所名物の地蔵岩を眺めます。

そして、おばれ岩も見ました。2つの巨岩が支え合って立つ岩で、中道はこの2つの岩の間をくぐり抜けるコースでした。

裏道の駐車場に戻りたいので、途中から連絡路に分かれ、ロープウェイの下をくぐって裏道へ向かいます。

朝くぐった砂防ダムに戻ったのは、9時間後のことでした。

すっかり日が傾いた駐車場に戻り、長い1日が終わりました。

この日の私は、最後まで確保を受けず、ロープに一度も触れませんでした。ただし、ロープがそばにあるだけでは、落ちたときに体は止まりません。確保なしで登るのは、落ちたら止まらない状態で登るということです。私はこれまでの岩場の経験から自分で判断しましたが、読者の皆さんに勧めるものではありません。
それでも、初めての不安が消えたのは、いざとなればロープを出してもらえる環境があったおかげです。危険のあるルートを無事に歩かせてくれたリーダーをはじめ、メンバーの皆さんに感謝しています。
ヴィアフェラータに行く前に(PTの実用メモ)
設置物は年によって変わる。残置物は信用しすぎない
ヴィアフェラータのホッチキスやワイヤー、ホールドは、年によって使えるものが大きく変わります。2021年にあったフクロウのホールドは、今はボルトの名残だけになっているようです。
2026年8月に登った方の動画(YouTube)を見ると、私が登ったときより全体的にワイヤーなどが増えていました。ただ、設置物が増えても、それがどれだけ信頼できるかは見た目では分かりません。これは整備された登山道の設備ではありません。残置物をどこまで信用するかは、その場で自分が判断することになります。ぐらつく足場や傷んだワイヤーに全体重を預けないでください。
装備はヘルメットとハーネス。ロープを出せる経験者と
岩場で落石や転倒から頭を守るため、ヘルメットは必須です。ハーネスは、ロープで確保してもらったり、アッセンダーを使ったりするときに必要になります。
私はブラックダイヤモンドのハーネス「モメンタム」と、TRANGOのヘルメット(THG-11)を使っています。ハーネスやロープなどのナイロン製のギアは、見た目では傷み具合が分かりません。古いものの扱いは登山用品の加水分解と買い替えどきにまとめています。
この日の私は、確保なしで登りました。それでも、ロープを出せる経験者が一緒にいることが、初めてのルートでのいちばんの安心材料でした。初めて歩くなら、ルートを知っていて、必要なときにロープを出せる人と一緒に行ってください。
翌日も、腕や脚に気になることは出なかった
岩場では腕を使う場面が多いので、前腕や肩の筋肉痛を心配していました。結果は、この日も翌日以降も、腕や脚に気になることは何も出ませんでした。翌日は、鈴鹿の竜ヶ岳を歩いています。
ただ、これは岩場に慣れた私の体と、腕に頼らず脚で登れたこの日の条件での話です。腕で体を引き上げる登り方をすると、前腕や肩に疲れが出やすくなります。順番待ちが長い大人数の山行は、行動時間も長くなります。翌日の予定は、体の様子を見てから決めましょう。
岩場の基本的な歩き方は、ヴィアフェラータより手前の一般登山道で練習しておくと安心です。御在所岳で岩場デビューする人は、まず育児ブランク明けの復帰登山の記録もあわせて読んでみてください。ヴィアフェラータを選べた条件と、選べない人の線引きを書いています。
まとめ:御在所岳のヴィアフェラータは、経験者と挑む低山の岩遊び
4コマでおさらいします。

- ヴィアフェラータは、兎の耳付近から岩壁をいくつも直登して中道の7合目手前に合流するバリエーションルート。富士見尾根は中道8合目付近から富士見岩の展望台に抜ける
- 鉄の足場が並ぶ岩壁は親切で登りやすい。一方で、足場のない岩壁や高度感のある場所、分かりにくい分岐が続く。初心者向けではない
- 岩場はどれも樹林帯から巻ける。技量や人数に合わせて飛ばす判断ができる
- 手がかりの少ないスラブや滑りやすい土の斜面は、急な岩壁より緊張する場面があった
- 設置物は年によって変わる。残置物を信用しすぎない
- 中道はおばれ岩付近の崩落の危険で利用を控えるよう案内されている。出かける前に最新情報を確認する
低い山でも、鉄と岩の感触を確かめながら一歩ずつ高度を上げていく時間は、アルプスの岩稜に負けない濃さがありました。御在所岳のヴィアフェラータに挑むなら、まずはルートを知っていて、ロープを出せる経験者を探すことから始めてみてください。
参考文献
- 菰野町, 2025. 【御在所岳・中登山道】おばれ岩崩落注意について. 菰野町公式ウェブサイト(観光産業課).
- 御在所ロープウエイ, 2025. 御在所岳「中登山道」おばれ石崩落注意について. 御在所ロープウエイ公式サイト.
- プレスマンユニオン編集部, 2025. 御在所岳の名所「おばれ岩」が倒壊の危機! ニッポン旅マガジン.